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銀行融資

銀行に自社を理解してもらうために何を伝えるべきか

  • 投稿:2026年09月07日

金融庁は2026年6月30日、「金融機関の取組みの評価等に関する企業アンケート調査」を公表しました。メガバンクや地域金融機関等をメインバンクとする中堅・中小企業約3万社に調査を依頼し、10,720社が回答しています。今回はその中から、銀行との情報共有、企業価値担保権、経営者保証、経営改善・事業再生に関する結果を見ていきます。

1. 銀行にどんな情報を伝えてるか?

「メインバンクにどのような情報を開示しているか」という質問では、決算書98.2%、試算表63.6%と財務資料の開示は進んでいます。一方で、中長期的な経営計画20.5%、年次の経営計画18.1%、資金繰り表23.1%、事業の強み・弱み23.3%、ビジネスモデル・商流12.8%にとどまりました。つまり、多くの会社が「過去の数字」は伝えていても、「これから何を目指すのか」「どこに課題があるのか」まで銀行と共有できていないことが分かります。

2. 企業価値担保権への期待

2026年5月に始まった企業価値担保権を利用した融資について、調査時点の2026年1月に「強く希望する」「希望する」と回答した企業は32.3%でした。

希望する理由では、「将来の資金調達に不安をもちたくない」が73.0%、「事業内容を理解した金融機関からの助言を期待している」が52.5%となっています。自由回答では「経営者保証を外したい」という意見も多く見られました。

新制度への期待の背景には、単に担保の形が変わることだけでなく、「事業そのものを理解して融資してほしい」という企業側の思いもあるようです。

3. 経営者保証は、まだ約半数

既存融資で個人保証を提供している企業は49.5%でした。また、個人保証を提供している企業のうち、2023年4月以降に新たに保証契約を締結・更新した企業は52.4%です。

保証契約時に「保証の必要性等」について金融機関から説明を受けた企業は58.0%。一方、「説明の申し出がなかったため説明を受けていない」は27.2%でした。

保証を求められた場合には、「なぜ保証が必要なのか」「何を改善すれば将来解除できる可能性があるのか」を銀行に確認しておきたいところです。

4. 厳しくなる前に相談できる相手を持つ

経営改善・事業再生に関する結果も注目です。

返済条件変更について、金融機関以外から提案を受けた企業では、提案者は税理士33.1%、コンサルタント24.4%でした。そして、返済条件変更を検討し、実際に利用して「満足」「どちらかといえば満足」とした企業は合計35.8%という結果です。

資金繰りが限界に近づいてから相談すると、取れる選択肢が少なくなり満足できる結果を得にくくなることがあります。

早い段階であれば様々な対応策を検討できる可能性が高まりますが、資金繰りに余裕がなくなってからでは、選択肢は大きく狭まります。大切なのは、「返済できなくなってから相談する」のではなく、「このままいくと半年後、1年後に資金繰りが厳しくなりそうだ」という段階で相談することです。

経営が厳しくなる前から相談できる相手を持っておくことは、会社を守るうえで非常に重要です。

5. 「決算書を提出するだけ」から一歩先へ

今回の調査を見ると、多くの企業がメインバンクとの関係を肯定的に評価しています。一方で、小規模な企業ほど「十分に話を聞いてもらえていない」、「銀行から評価や課題を伝えてもらえていない」と感じる割合が高くなっています。

これからの銀行取引では、「決算書を提出するだけ」の銀行取引から一歩踏み込み、銀行に自社を理解してもらうために会社側から積極的に情報を共有することが重要です。

・決算書だけでなく試算表を定期的に提出する

・今期の業績見通しを説明する

・資金繰り予定を共有する

・今後の設備投資や採用計画を伝える

・経営上の課題や改善策を説明する

・銀行から見た自社の評価や課題を聞く

など、経営者自身が銀行との積極的なコミュニケーションを意識する必要があります。

金利が上昇し、金融環境が変化するなかでは、銀行から「この会社なら支援したい」と思ってもらえる関係づくりも重要な財務戦略の一つと言えるでしょう。

弊所は、資金調達・資金繰り改善・経営改善・事業再生支援に力を入れていますので、お気軽にご相談下さい。

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