2025年12月16日に令和7年度補正予算が成立し、中小企業向けに約1兆1,300億円という過去最大級の支援が盛り込まれましたが、その他にも2026年は、中小企業に関わる金融関連の環境に大きな変化が予定されています。
今回は、中小企業の経営者が押さえておきたい2026年の施策と経営環境の変化について整理してお伝えします。
令和7年度補正予算
2025年12月16日に成立した補正予算で注目すべき支援策は下記の通りです。
■成長投資支援
●中小企業成長加速化補助金の拡充
売上高100億円を超える中小企業(100億企業)創出に向けて、飛躍的な成長を志向する企業に対する財政支援を実施
●大規模成長投資支援
中堅・中小企業が、賃上げに向けた省⼒化等による労働⽣産性の抜本的な向上と事業規模の拡⼤を図るための⼤規模な投資に対する支援を継続(大規模成長投資補助金)
■生産性向上・省⼒化投資支援
●生産性向上の支援
⽣産性向上に向けて、デジタル化や、販路開拓、事業承継・M&Aに係る設備投資等を後押しするとともに、物価高や米国関税影響を踏まえたソフト支援を実施(デジタル化・AI導入補助金、持続化補助金、事業承継・M&A補助金)
●革新的製品等開発や新事業進出支援
中小企業等の革新的製品・サービス開発や海外を含む新市場への進出等に係る設備投資等を支援(新事業進出補助金)
●省⼒化投資支援
人手不足に対応し、省⼒化に資する設備投資を支援。業種別の「省⼒化投資促進プラン」を踏まえ、従業員規模ごとの補助上限額の見直しなどを実施(中小企業省力化投資補助金)
★従来のIT導入補助金が、生成AI時代に対応して進化し、補助金の名称も「デジタル化・AI導入補助金」となりました。
★政府は、地域経済を支える売上高100億円超企業の創出を成長戦略の柱に据えており、「100億円企業」創出支援を本格化させています。
政策金利0.75%へ
日本銀行が政策金利を0.5%から0.75%に引き上げ、約30年ぶりの高水準となりました。この影響で、融資金利が上昇するため、今一度、資金繰り見込みを確認することが必要です。
また、金利上昇に伴い、国債が値下がることで、銀行や信金、信組の財務内容が悪化する懸念があります。銀行や信金、信組は多くの国債を保有しており、それが値下がることで多額の評価損が発生し、財務が毀損するためです。この影響で、貸し渋りが発生する懸念もありますので、取引銀行と自社の情報共有を進め、より一層、取引銀行との関係強化を図ることが肝要です。
企業価値担保権制度2026年5月開始
企業価値担保権制度が今年5月より、いよいよスタートする予定です。
<企業価値担保権とは>
不動産などの有形資産に加え、事業のノウハウや特許等の知的財産、顧客基盤などの無形資産を含めた全ての財産、つまり企業価値全体が担保権の対象となる制度。
事業の将来性や稼ぎ出すキャッシュフローに注目し、その価値を担保に融資がされることが期待されている。
<活用メリット・ポイント>
(1)有形資産を持っていない企業であっても将来性があり成長可能性を評価できればその企業の企業価値を担保とし評価して融資を行うことが可能となる。(事業性評価による融資)
(2)企業価値担保権を活用する場合、債務者に粉飾がある等の例外を除いて、経営者保証の利用が制限される。
<スキーム>
企業価値担保権は一般的な担保権とは違い担保権の設定的信託を前提としており、担保権者となれるのは新設される「企業価値担保権信託会社」です。借り手と担保権者の間で企業価値担保権信託契約を締結して担保設定が行われます。